第2部 シエラネバダ
 第2章 ヨセミテの北(1)
  6月20日(金)RedsMeadow〜7月1日(火)South Lake Tahoe


6月25日(水)
 6時過ぎ起床。乾いていて気持ちのいい朝。シリアルの朝食。/7時15分出発。パッキングも決まって快適。/最初の下りでスリップして尻を思い切り打つ。痛い。/淡々と、順調に距離を稼ぐ。/13:00 DNAのメモ。3時間は遅れているらしい。追いつけるかどうか。/15:00 ドロシーレイクパス。/1000Miを目指して歩く。/18:15 1000Miを越すも、蚊がひどくて立ち止まれない。どこまでいっても蚊がひどい。/19:30 キャンプ。蚊の攻撃にモスキートネットをかぶって耐える。/夕食は牛飯とパスタ、みそ汁。落ち着いて夕食も取れない。タープもきれいに張れない。/蚊は気温が下がると動きが止まるようだ。タープの中にもたくさんとまっているが襲ってはこない。/DNAには追いつけるだろうか。/一気に25,25,25,13マイル歩いて日曜日中にSouth Lake Tahoeへ行ってしまうべきか。/しかし、蚊には参った。 Today 26.9Mi Total 1002Mi

6月23日にヨセミテ国立公園TuolmneMeadowを後にする。ここでトレイルは、観光客で賑わうヨセミテバレーへと下るジョン・ミューア・トレイル(JMT)と別れ、山脈に沿って黙々と北へ、北へと向かう。過去にJMTを歩いた経験から、ここまでは土地勘のようなものがあったが、この先どんな景色が広がっているのかまったく未知数であり、それはまた楽しみでもあった。
 TuoimneMeadowからSouthLake Tahoeまでの153.7マイル、PCT全行程でのなかでもかなり長い部類に入る無補給地帯だが、ここはまたTahoe-Yosemite Trailと呼ばれるロングトレイルでもある。ひとけは少ないものの、トレイルは良く整備されており、また山容もヨセミテのグラナイト(花崗岩)のそそり立つ岩肌から砂地の赤茶けた丸い山へと変化する。ときおり現れる残雪と湖をながめつつ、気持ちのいい道が続く。
 
PCTのなかで、どのあたりが一番良かったですか?とはよく聞かれる質問だし、答えに迷う。もちろん、ハイシエラの絶景や砂漠の夕日、Mt,ShastaやMt.Hoodの眺めは素晴らしかったけれど、純粋にバックパッキングを満喫できるエリアとしてならば、このあたりは全行程通して思い出してみても、印象深い1週間だったと思う。歩き甲斐のある、というのだろうか。蚊に悩まされたのも、その一部として、だけど。蚊の話はまた書こう。
6月21日(土)。ドノヒューパスにて。AnselAdamsWildernessからヨセミテ国立公園へ入る。数年前、ここから携帯電話でおしゃべりするアメリカ人をみてあっけにとられた記憶があったが、今回は不通だった。残念。
ライエル・フォーク・キャニオン。トゥオルミーミドゥーへの下り。熊が良くでることで知られる。NHKのトレッキング番組でもやってたね、ここ。
轟々と流れるTuolmne Falls。雪解けの時期なので水量も多い。
Cold Canyonをゆっくりとさかのぼる。開けた空、瑞々しい湿原、なだらかな花崗岩の山々。これぞ北ヨセミテの風景。JMT以外にも、シエラには僕らが歩いていないトレイルがまだまだあるのだ。
こんな湖畔でキャンプして、トラウト釣って、山歩きして過ごしたいと思いませんか。シエラはそんなに遠いところじゃないですよ。
6月24日朝。昨夕から突然ストームに見舞われ、あたり一面の雪景色に逆戻り。こんなときにかぎってテントからタープに装備を変えていたりして。ひどい目にあった。
KerrickCanyonかなあ。雪解けでまだトレイルは水浸し。
WilmerLakeだと思う。さすがに似た景色が続くともうよく分からない。

ハイシエラの夏(6)へ戻る   ヨセミテの北(2)へ進む