PCTで使用した装備リスト


PCTで使用した装備のうち主なものを以下に記します。バックパッキングにはこんなものが必要なのです。
同じ装備で(1)、(2)とあるのは途中で買い換えるなどしたものです。
装備名 画像 商品名・リンク 使用した期間・区域 コメント
ザック(1) LoweAlpine 
ContourV 85L
LoweAlpine
メキシコ国境
〜RedsMeadow
写真は最新版。実際に使ったのはこれから2世代ほど前のもの。大容量ザックの定番だが、これだけで2900gもある。重すぎる。愛着のあるザックだったが、RedsMeadowからマンモスの街に降りて買い換えた。
ザック(2) Gregory 
G−Pack 48L
Gregory
RedsMeadow
〜カナダ国境
「ザック界のロールスロイス」とも呼ばれる?グレゴリーのパック。日本で買うと何せ高い。が、高いだけの性能はやはりある。このザックはなんと重量1200g。機能性も使い勝手も高く、共に最後まで旅をした。生地が薄い分、裂けるなどの危険もあるし、荷重への耐久性もやや心配なところもあるが、逆に言えば、このパックに収まるくらいまで荷物をへらすべきということだろう。
テント エスパース・ソロ
ヘリテイジ・インク
メキシコ国境
〜RedsMeadow、
Castella
〜Ashland、
CascadeLocks
〜カナダ国境
フライを張らないと耐風性が弱い点を除いて、一人用の3シーズンテントとしてはほぼ理想に近い、と思う。軽くするために、テントのほかにもいろいろ試したが、やはり居住性の観点からテントに勝るものはない。オレゴン・ワシントンなど雨・蚊の多い地域及び、冷え込むシエラではテントが良いだろう。
タープ GoLite CAVE1
GoLite
RedsMeadow
〜Castella、
Ashland
〜CascadeLocks
PCTハイカーの間ではテントよりこうしたタープのほうが主流。より軽く、より自然に近い姿で泊まることができる。もちろんストームに襲われたりすると悲惨だが、ほとんど雨が降らない地域ではこれで充分だろう。僕の場合はカリフォルニアの途中から使ったが、南カリフォルニアはこれでいいかもしれない。
張るのに少々コツはいる。
ビビーサック OutdoorResearch Bug's bivy
(OutdoorReseaech)
Ashland
〜CascadeLocks
蚊に悩まされていた頃、「こんなものがあるらしい」と聞いてLAから送ってもらった。これだけでは夜露でぬれるのでタープと併用。たしかに蚊の襲来は防げるが、寝るだけしかできない。でもなんか心躍るアイテムではあった。
シュラフ イスカ Air450
イスカ
全行程 快適な睡眠は全ての行動の基本。寝袋選びは慎重に。820g、−6℃対応のこの寝袋は、ちょっと重いかもと思ったが、雪のシエラを含めた全行程に対応してくれた。砂漠も夜は冷えるので、これくらいのスペックが良いだろう。
シュラフカバー モンベル スリーピングバックカバー
モンベル
KennedyMeadow
〜RedsMeadow
一番寒かったシエラ前半でのみ使用。それ以外は全く使わなかった。LAに送り返す途中で郵便が紛失。いまだに出てこない。
スリーピングマット(1) カスケード・デザイン Z−Lite
CascadeDesigns)
メキシコ国境
〜CascadeLocks
LAで購入。折りたたみ式の簡易マット。かさばるが軽いし、穴が開く心配が無いのが何よりも魅力。ただ、寝心地は通常のサーマレストに比べると落ちる。
スリーピングマット(2) カスケード・デザイン
サーマレスト
CascadeDesigns)
CascadeLocks
〜カナダ国境
最後ワシントン州は使い慣れたこのマットで旅をした。多少重くてもやっぱり寝心地のよさ、暖かさはこれが一番。
ストーブ(1) MSR
ドラゴンフライ
MSR
メキシコ国境
〜RedsMeadow
使い慣れていたストーブ。やや重いが赤ガスが使えるのが魅力。
ストーブ(2) MSR
シマーライト
MSR
RedsMeadow
〜カナダ国境
ドラゴンフライに比べて200gほど軽い。ホワイトガソリン専用だが、トレイルでは比較的容易に手に入るし、自分の補給ボックスに缶をおれておけば(燃料の郵送は違法だが)、問題ない。火力もひけをとらず、良く動いた。MSRの製品に間違いはない。
燃料ボトル MSR
燃料ボトル
MSR
全行程 当初は一番大きい1Lのボトルに燃料を満タンにしてヒーヒーいいながら歩いていたが、だんだん使用量を減らしていくことを覚える。途中からは一番小さい325mlのボトルで充分だった。
コッフェル&武器 エバニュー
チタンクッカーセット
エバニュー
全行程 REIで日本語の製品が並んでいるのを見ると嬉しくなってしまう。当初は鍋×2+シエラカップを持ち歩いていたが、鍋はひとつで充分。
水濾過マシーン KATADYN
Katadyn Hiker Miclofilter
KATADYN
メキシコ国境
〜RedsMeadow
アメリカのバックカントリーでは生水の飲用は危険とされ、適切な濾過・煮沸等を強く推奨される。主なものとしてこうしたフィルターや薬品が売られているが、正直重い。
実際途中(シエラネバダ以降)からはほとんど生水を飲んでいたが、お腹を壊すことは「僕は」無かった。
水消毒薬 ポータブルアクア
REI
RedsMeadow
〜カナダ国境
ヨードの錠剤。流水がなく、やむなく湖の水などを口にしなければならないときのみ使用した。
水筒 プラティパス&ドリンキングチューブ
CascadeDesigns)
全行程 当初砂漠地帯は2Lを2本携帯。折りたたんで使っているうちに折り目から水漏れしてきたが、消耗品と割り切ってしまおう。
ヘッドランプ プリンストン・テック
オーロラLED
REI
ほぼ全行程 今や主流のLEDランプ。使う時間に比して持ち運ぶのは無駄が多いとの考えからヘッドランプを持ち歩かないことも考えたが、それも不便だった。
ナイフ ビクトリノックス
ビクトリノックス
全行程 多機能すぎるものは不要。ナイフ、缶きりくらいがついていれば充分。当初はレザーマンまで持っていたが重くて早々にしまった。
カメラ リコー
Gr1v
リコー
メキシコ国境
〜Sierracity,
CascadeLoks
〜カナダ国境
広角28mmレンズを備えた高級コンパクトカメラ。性能は遺憾なく発揮されたが、途中で激しく落としてしまい、あえなく修理のため東京直行。
デジカメとどっちがいいかは意見が分かれるが、僕はこれで満足している。
コンパス
シルバコンパス
エバニュー
全行程 実際使ったのは残雪でトレイルが消えていたシエラネバダの数回だけだったが、万一事故にでもあった際に日本で「遭難した男性はコンパスも持っていなかった」云々と報道されたらいやだなあと思って持っていった。
トレッキングポール REI
ウルトラライトアンチショックトレッキングポール
REI
全行程 LAのREIで買った二本で100ドルの廉価品。ロングトレッキングにストックは必需品。タープの支柱になったり、ガラガラヘビを撃退したり、用途は多様。
ベアキャニスター ベア・キャニスター
REI
KennedyMeadow
〜TuolmneMeadow
シエラネバダで出没する熊対策のため、ヨセミテ国立公園及びセコイアキングスキャニオン国立公園でバックパッキングをする際には携行が義務付けられるようになった。(木から吊るすのはもう禁止)が、重いのでPCTハイカーはあんまり持ちたがらない。
ハードシェル アークテリクス
シータLTジャケット
アークテリクス
全行程 雨具兼用のハードシェル。暑い日も寒い日もこの一枚と過ごしてきた。機能にはほぼ満足。壊れることもなく、そのスペックを発揮してくれた。
フリースジャケット パタゴニア
M’sR2ジャケット
パタゴニア
ほぼ全行程だったと思う パタゴニアの看板商品。値段もそれなりにするが、それだけの機能は発揮してくれる。パッキングしても嵩張らないし、黒だと汚れも目立たない。
Tシャツ(長袖) 画像なし マウンテンハードウェア
アクアダクトHGジップ
MountainHardwear)
全行程 化繊・速乾性の長袖シャツ。つまるところこの1枚でほぼ全行程を歩きとおした。
Tシャツ(長袖) 画像なし パタゴニア
シルクウェイトTシャツ
パタゴニア
全行程 本来肌着に近い感覚で着用するのだろうが、軽いし、肌触りもいいので愛用した。最後には色が変わってしまった。
ズボン コロンビア
GRTシリーズ
コロンビア
全行程 当初はハーフパンツも持っていたが、結局ほとんど長ズボンで通した。やはり転んだときなど、素肌を保護してくれるのがありがたい。ポケットなどは穴が開いてしまい、苦手な裁縫で苦労した。生地は速乾性の化繊に限る。
防寒用アンダーウェア ザ・ノース・フェイス
ダクロンQDシリーズ
ザ・ノース・フェイス
シエラネバダ等寒冷地 昼間の行動中は必要ないが、キャンプ地について、体を拭いた後これらを着込んで夜を過ごした。パジャマ代わり。重い寝袋を持つよりこうしたウエアで寒さ対策をすべき。
靴(1) モントレイル
ハリケーン・リッジ・GTX
モントレイル
メキシコ国境
〜BigBearCity、
RedsMeadow
〜SouthLakeTahoe
距離を歩くPCTハイカーは重いトレッキングシューズよりも軽いトレイルラン用シューズを選ぶ。意気込んで買った一足。砂漠の間はまあよかったが、南カリフォルニアでも雪は降る。残雪の上では難儀した。
靴(2) ダナー
品番不明
Danner)
BigBearCity
〜RedsMeadow
写真は最新版。履いていたのは1999年ごろ買ったやつでいいかげんくたびれていたが足になじんでいた。いわゆる典型的なトレッキングシューズ。雪の深いシエラではこれくらいのほうが安心感があって良かったと思う。
靴(3) VASQUE
品番不明
VASQUE
SouthLakeTahoe
〜カナダ国境
後半1600マイルほどをこの一足で歩ききった。Vasqueは日本ではほとんど見ないが向こうではそれなりにポピュラーなメーカーのよう。足にフィットしたものを選んだ。トレッキングシューズとハイキングシューズの中間くらいのつくり。軽さも重視。
その他こまごましたものは当初の計画とさして変更は無いので、そちらを参照していただければと思います。
RedsMeadowで装備がだいぶ入れ替わっているのに気づいていただいたでしょうか。この日、RedsMeadowからマンモスの街へ下りて、思い切って装備を買い替え、かなりの軽量化を図りました。こうした買い物もPCTの楽しみのひとつです。

こうやって見ると、バックパッキングに必要な装備というのは長距離でも短距離でもさほど変わりが無いのがわかります。そのうえで、どのようにして荷重を減らしていくのか?がウルトラライトバックパッキングの神髄なのでしょうが、それはまた別のところで書きたいと思います。

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