第1部 南カリフォルニア
 第2章 キックオフパーティー(2)
 2003年4月22日(火)カンポ〜4月27日(日)マウント・ラグナ


2003年4月25日(金)マウント・ラグナ→レイク・モレナ
 ・・・12時半、マウント・ラグナのポストオフィス着。携帯が入る。久しぶりのメールチェック。メールが3通にボイスメールが2通。/荷物をワーナー・スプリングへ転送し、郵便を投函。手紙を一通受け取る。/グロセリーストアで2日分の行動食を買う。/メールは受信できたのに送信できない。理不尽だ。/松本さんに電話していたら通りかかったクリスと仲間達がキックオフに乗せて行ってやるというので飛び乗る。ツイてる。/キャンプ場へ戻ると100人以上の人が集まっている。テントよりもタープが多い。年齢も様々だ。皆、思い思いのスタイルでこの豊かな午後を過ごしている。/エイミーおばちゃんも戻ってきていた。/程好く酔いが回ってきて気持ちいい。/基本的に白人しかいない。黄色いのは僕ともう一人だけ。黒かったり、メキっぽいのは見当たらない。/一見して、ちょっとおかしそうなひげもじゃの男が多い/印象に残っているやつ。愛媛の松山に行ったことがあるというマイク。落ち着いた雰囲気のポール。/皆、僕の英語をほめてくれるが、ほめられているうちはまだ駄目だ。/眠いが、まだ周りが盛り上がっていて・・・/ Today 10.1Mi ,Total 42.9Mi

 25日午後、マウント・ラグナに思ったよりも早く着いてしまったため、さて、本当にパットおばさんは迎えに来てくれるだろうかと思いあぐねていたところ、幸運にも友人達と車で通りかかったPCTハイカー・クリス(トレイルネーム:フリーフォール ※彼のジャーナル)に声をかけられ、一緒にレイク・モレナに戻ることに。フリーフォールは運転しながら「荒城の月」を熱唱してくれた。
 レイク・モレナに戻ると、ここを出た2日前とは雰囲気が一変していた。見渡すかぎりテントとタープが広がり、そこかしこで人の輪が出来ている。これがキックオフパーティーか。僕も早速テントを張って場所を確保し、シャワーを浴びたら、ビール片手に話の輪に加わる。何を言っているかは半分も理解できないが、とりあえず名乗って、どこから来たのか、とか、装備見せてくれ、とかの話ならなんとか通じる。日本から来たと話せばたいてい会話の中に入れてくれて、楽しい時間を過ごす。

 キックオフパーティーの内容といえば、金曜の晩にPCTの地誌・植物についてのスライドショー、土曜の午前中は手作りギアコンテストとオークション、午後はトレイルコンディションについてのレクチャーとハンバーガー・パーティー。夜は2002年の踏破者によるスライドショー、と飽きさせない内容が続く。今年PCTに挑戦するハイカー達のために、過去の踏破者やボランティアたちによって運営されるこのパーティーは一人でやってきた異国のハイカーにとって、こんなにも仲間がいるんだ、ということを教えてくれる大事な機会だった。ここで知り合った多くのハイカーと、このあと旅を続けていくこととなる。

 
Annual Day Zero Pacific Crest Trail Kick Offへようこそ!
レイク・モレナ・キャンプグラウンド。気持ちのいいキャンプ場だった。
テントとタープの群れ。どちらかというと軽いタープのほうが人気があるようだ。
手作りギア自慢コンテスト。ザックやらストックやらなんでもかんでも自分で作ってしまう彼ら。
ハンバーガー・パーティ。いかにもアメリカらしくていい雰囲気だった。真ん中で挨拶しているのはPCTAのエグゼクティブ・ディレクター、リズおばさん。『日本人で踏破した人はまだ知らないわ!あなたおやんなさい!』と励ましてくれた。
リャマに荷物を積んでPCTを行くというおばさん。トレイルネームはもちろん "Lama Lady"
ただし一日に10マイル程度しか進めないらしい・・・

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