第3部 北カリフォルニア
 第1章 根性と人情のトレイル(2)
  7月1日(火)SouthLakeTahoe〜7月21日(月)Castella


7月9日(水)
 5時半過ぎ起床。街に着く日はいつも早起き。/朝食も取らず、6時15分出発。蚊もひどいし湿気もすごい。早々にキャンプサイトを後にする。/7時過ぎ、水を汲んでいたらジェフに追いつかれる。10分前に熊を見たとのこと。昨日の鷹といい、どうも動物が多いようだ。/痛む腰と右足をこらえて淡々と進む。/8時、BucksSummitWildnessに入る。やはり管理が違うのか、トレイルも良く整備されている。/12時、14時に休息をとったほかは淡々と歩き続ける。/16時、Belden着。Saloonでまずはビールを飲んで一服。/ジェフも店に顔を出す。/TrailAngelの家にTEL、Freefallとおばちゃんが迎えに来てくれる。建設中の家だった/シャワーを浴びてさっぱり。/聖書が置いてあったり、有機栽培をしていたり。どうやら学校の先生らしい。/壁にエマーソンの本を紹介した日本語の書籍を見つける。/夕食はパスタ、ビスケット、フルーツ。食事の前のお祈り。/食べ過ぎのせいか、ノドが乾いて仕方ない。しかし、暑い谷だ。ここで一日休息しよう。/Today 23.8Mi Total 1283.1Mi

シエラシティでの補給を済ませ、(ちょうど独立記念日の連休で宿が取れず難儀した。北米支店さんと会えたのが救い)まさに淡々と歩を北へ進める日が続く。前のページでも書いたがほんとにこのあたりは暑く単調なトレイルが続き、精神的にも体力的にもしんどい日々。そんな北カリフォルニアの街、Beldenでお世話になったBrattan夫妻も忘れ得ないトレイルエンジェルだ。

 僕が立ち寄ったとき、家はまだ半分しかできていなかった。アンテロープバレーの手前でも建設中の家に泊めてもらったが、アメリカでは自分で家を建てる人が多い。この家も毎日親父さんが朝から大工仕事に汗を流していた。敬虔なクリスチャンらしく、酒・タバコは禁止。食事の前にはみんなで手をつないでお祈り。車はホンダのハイブリッド車。食事は家庭的でほんとに美味しく、疲れきったハイカーを癒してくれる。ベルデンの町の通称リトル・ヘブン。2004年のハイカーによると、今年もまたPCTハイカーを受け入れてくれているようである。ただ、まだ家は完成していないらしい。
シエラシティの町であった週末ハイカーのスティーブン。レイ・ジャーディンの『ウルトラライト・バックパッキング』を読みながら、「彼はほんとに頭のいいやつだ。こういうのをwise as a fox(切れる奴)って言うんだよ」と教えてくれた。翌日トレイルで再会。 
ナショナル・フォレストの入り口に書いてあった注意書き。「この連邦野外レクリエーション施設の利用において、人種・肌の色・性別・宗教・生国に基づく一切の差別はこれを禁じる」と書かれている。アメリカらしいなあ、と思って一枚。
大工仕事で泥だらけのBrattan夫妻。どこまで建設は進んだのだろうか。貴重なトレイルエンジェル。
なんの変哲もない景色が続く。よってこのあたりは写真も少ない。あしからず。

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