第5部ワシントン
 第1章 トレイルは氷河の峰へ
  2003年8月20日(水)Cascade Locks 〜2003年9月5日(金)Stehekin


8月20日(水) 7時過ぎ起床。5時に起きてあちこちにTELする予定だったが、昨晩25時頃まで起きていたせいか眠くて起きられず。/とりあえずシャワーを浴びて、彼女にTEL。/気持ちよく旅を終わるためにも、進めるだけ進むべきとのアドバイス。当初は誕生日にゴールすることを予定していたが、それは気にせず歩くべき。彼女にしては珍しくはっきりとした意見。でも、これですっきりした。/朝食を取って、9時に部屋を出る。DNAの部屋によって一緒に出ることに。/迷ったが、オルタネートルートを取ることに。ヒッチハイクせず、自分の足で歩くことで、自分の中での折り合いをつける。/買い物をしたいというDNAとStevensonで別れ、Carsonでハンバーガーの昼食。久しぶりの国道歩き。房総移動を思い出す。/荷物が重く、きつい登りが続く。/途中でDNAに追いつく。どうやらヒッチハイクで先回りしたようだ。/彼とも1ヶ月ぶりに一緒に歩く。/19時キャンプ、色々話しながら夕食。/食べ過ぎて苦しい。このまま順調に飛ばせるか?/ Total 2196.7

 いよいよ、ワシントン州に入る。PCTも残り500マイル足らず。ここまで来ると、もう残りの日程、ゴールの予定も立てられるくらいになってくる。2100マイルを歩いてきた身にとっては、500マイルはもはや「想定の範囲内」にすぎない。大事なのは、どのような形でこの旅を終えられるのか、だ。
 当初は、誕生日の13日にゴールできたらかっこいいかも、などと考えていた。ところが、数えてみるとそれよりもだいぶ早く着いてしまう勘定だ。少々迷ったがこの際そういうことは気にせず、一日でも早くゴールを目指すことにした。
 体調は万全、後顧の憂いは何も無い。ただひとつあるとすれば、あと2週間あまりでこの旅が終わってしまうことへの不安くらいだった。
カスケード・ロックスのベストウェスタンにて。PCTの旅は地ビールの旅でもある。行く先々にて飲み比べもまた楽しい。
不恰好な髪型に汚い顔だが、自分では、今の青白い顔よりずっといい顔をしていると、思う。
オレゴン州とワシントン州を隔てる、コロンビア・リバー。幅1キロ近いこの大河にかかる橋「ブリッジ・オブ・ザ・ゴッド」を渡る。
再びDNAと。この旅の終わりに、もういちど彼と歩けたのは幸いだった。相変わらずの小荷物だ。
後ろの看板にはwelcome to Washingtonの文字。
遠くに見えるのはセイント・ヘレンか。活火山で、2004年には噴火したという。オレゴン・ワシントンはこうした高峰の裾を回るようにトレイルが延びている。
こちらはマウント・アダムス。中腹にはまだ氷河がそこかしこに残る。緯度が高くなってきたことを実感する。
標高も少しずつあがり、トレイルも山道の雰囲気が戻る。
稜線をひとつ越えると、今度は秀峰マウント・レーニアの姿が視界に飛び込んできた。
レーニア全景。天を衝く峰との表現がふさわしい。

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